【福岡】出展者インタビュー~大阪の文楽、落語、歌舞伎の面白さを伝える古典芸能案内人「天野光」~

福岡かさこ塾フェスタ 出展者インタビュー NO.39

肩書:
大阪の文楽、落語、歌舞伎の面白さを伝える古典芸能案内人

名前:
天野光

インタビュー:

古典芸能に全く興味のない人も、ちょっと興味はあるけれど詳しくはよくわからないという人にも、わかりやすく、何よりぐいぐいとその面白さを伝えてくれる天野さんの古典芸能案内は、聞く人に思わずすぐにでも見に行きたくなるようなワクワク感を与えてくれる。

1963年淡路島生まれ。尼崎市在住。
母方の祖父が文楽座頭取として人形遣いをしていたが、天野さんが2歳の頃他界。
直接の記憶はほとんどない。天野さんのご両親は特別古典芸能には全く関係のない自営業だったこともあり、大人になるまで特別古典芸能に親しんでいたというわけではなかったという。それが証拠に、大阪外国語大学英語学科を卒業、英語の教師として公立学校教諭となった天野さん。シェークスピアなどの演劇やビートルズなど海外の芸能などが大好きだったという。20代の頃1度演劇鑑賞の1つとして文楽も見に行ったが、当時は難しくてよくわからなかったという印象でしかなかった。

ところが40歳を過ぎてから、再度見に行った文楽でふとイヤホンガイドを使って観劇をしてみたところ、この説明が非常に面白く、わかりやすかったことからはまってしまったという。

そもそも文楽とはどんなものなのだろうか。
正式には「人形浄瑠璃文楽」と呼ばれるこの文楽は、江戸時代後期に大坂・高津橋南詰西側の浜辺で、浄瑠璃の稽古場を開き、その後、文化2年頃(1805年)人形浄瑠璃の小屋を設けたことに由来し、これが後の文楽座の始まりとされる。

一体の人形を3人の人形遣いが動かしていくが、動かす部分が頭と右手、左手、足の3つに分かれており、足が使えるようになるのに10年、左手に15年と、頭を使えるようになるのに最低でも25年の修行を要すると言われているとか。中学校を卒業後研修生になる人も居るが、大学を卒業した方でも入門する人がいるそうだ。

上演中は、この人形遣いの他に、太夫と呼ばれるセリフなどを言う方と三味線弾きの方が舞台右手におり、演目を盛り上げていく。ファンの中には人形など見ず、この太夫と三味線弾きにしか目を向けない人もいるほどだとか。
この人形遣い・太夫・三味線弾きを野球に例えると、ピッチャーが太夫、三味線弾きがキャッチャー、そしてなんと驚くことに一番大事だと思われる人形は野手になるという。
人形がてっきり中心だと思っていたが、セリフの太夫ありきだったとは。

そしてさらに驚くのは、本番前の人形遣いたちとの合わせ稽古は前日かその前の2日程度だけなのだとか。それなのに当日はバッチリ合うからすごい。

演目内容に関して、

「江戸時代の物語だけれど私たち人間の心理はそう変わっていないので現代でもよくわかります」

と天野さん。特に恋愛モノの超人気演目である曽根崎心中は、シェークスピアにも似て非なるものがあり、当時江戸時代ではあまりの演目の素晴らしさと人気から、そのストーリーのごとく心中するカップルが続出したため、時のおかみから上演禁止がなされたほど。
その他、時代モノと呼ばれる忠臣蔵や景事と呼ばれる舞踊などの演目もある。
このあたりを聞くと、まるで歌舞伎のようだと思う人もいるかもしれない。
文楽と歌舞伎は兄弟のようなもの。きっとどちらも同じように楽しめますよと天野さん。

今では大阪や兵庫県を中心に地方公演や技芸員さんたちのトークイベントなどにも足しげく通う天野さんだが、一時期に比べ観客数が増えたものの、とても良い演目なのに空席が目立つ上演もあったりと、もっともっと文楽の面白さを伝えたいと思っているとか。
2013年教員を早期退職後、その思いを伝えるため、古典芸能の情報発信者として、
関西はもちろん、東京などでもミニミニ講座を開催、ラジオなどにも出演している。

そして実は天野さんは福岡のフェスタには並々ならぬ期待を抱いている。
福岡では毎年落語家の円楽師匠が中心となり、関西と東京双方の落語家が一堂に会し、博多天神落語祭りを開催している。また博多の街の中心地には博多座もあり、歌舞伎の上演も多い。博多っ子たちは、きっと古典芸能が好きなはずと期待が膨らむ。
そして何より文楽の技芸員と呼ばれる人形遣いや太夫さんなどの中には、地方公演で出会った文楽に魅了され入門、仕事をしている人たちがいるのだとか。

ぜひ福岡を含めた九州の人たちにも、古典芸能の素晴らしさを知ってもらいたい。
そんな想いを胸にフェスタでは11:20 からと16:40 からの2回、古典芸能、特に文楽について初心者でもわかりやすい無料セミナーをする予定。古典芸能に興味のある方も、ない方も、ぜひとも天野さんの古典芸能セミナー、この面白さはライブでぜひおすすめです!!

 

ブログ:
大阪の文楽、落語、歌舞伎の面白さを伝える古典芸能案内人。天野光


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