福岡かさこ塾フェスタ 出展者インタビュー NO.23
肩書:
筆もじスト
名前:
小林佳織
インタビュー:
個性筆という、いわゆる「書道」とは異なり、その人の性格や想いなどどんな形であれ、自分らしさを表現することができる筆もじグラフィ。
小林さんの筆もじグラフィは、風景や人物などその人が想い入れのある写真をもとに、その方とお話をしながら小林さん自身がひらめいた言葉を書き、写真に合成することで、驚くほど写真が活き活きとしだす。年齢を問わずその文字の美しさはもちろん、様々な想いを汲み取ったその言葉に定評がある。
千葉県佐倉市在住。
子供の頃、周囲の子供たちと同様、習字教室に通ったという小林さん。お母様が書道が好きな方で、習字教室もお母様の勧めで始めた。小林さんへの期待からくるダメだししか耳に入らずにいた日々。
母に認めてもらいたい。
そんな一心で小学生の間習字を習ったという。
それ以降特に書道との縁はなかった小林さんは結婚後姑さんと同居。もともと持病のあったお姑さんのために、食事や介護をする日々で自分の時間はおろか好きなことを思い切ってすることなどできる状態ではなかった。ずっと嫁として姑を立て、優先して生きてきた小林さん。3年前、そんなお姑さんが他界。
するとあれほど大変だと思っていた介護生活だったのにも関わらず、お姑さんがいなくなってしまった途端、役割のなくなってしまった自分に不安を感じたという。
このままでは自分がダメになってしまう。
そう感じた小林さんは様々なことを片っ端から始め、その1つとして個性筆の講座を受けた。見本もお手本もない個性筆。その体験はとにかく楽しかったそうだ。
それまで器用なこともあり、様々な趣味にトライしてもそこそこできてしまったという小林さん。でも個性筆はそれらとは異なり、とにかくやっていて楽しくてたまらなかったし、
自分の好きなように、やりたいようにやってOKなんだ!と筆もじを通してようやく自分自身を認められるようになったのだとか。
以来、毎日のようにハガキサイズの筆文字などを書き、SNSへアップする日々。そのうちにSNSで呼びかけた100名の人の名前に合わせた筆もじを書くというのも実践。楽しい筆文字生活が始まったように思えた。
ところが、100名の名前に当てはめた文字を書いているうちに、自分が本当に好きなことなのか、徐々に疑問を持ったという。さらにはその作業に息苦しささえ感じようになり、また自分がアーティストと思われることにも抵抗感を感じた。何か違う・・・。
そのことを、筆文字の先生たちにも相談してみると、先生方でもたくさん数をこなすうちに、そういう何か自分の方向性が見えてくることがあると教わったとか。自分の好きなこととは違うのかな。そう思った小林さんは一旦筆もじを封印した。
その後かさこ塾にも入り、自分の好きなことは何なのか見つめ直す日々。
そんな折、かさこ塾フェスタ名古屋の開催に参加してみることを決意。何をしようかと思っていたところ、とある写真を見て、湧き上がるものを感じそこに筆文字を書き添えたい。
そう思ったという。そして名古屋フェスタでは、写真やお話から感じた小林さんの言葉を、書いてお渡ししたところ、もらった方たちから大変喜ばれ、それならばとモニターを募集したところ次々と依頼が来るように。
こんなに喜んでもらえるなら、もう一度筆文字をしようかな。
そう思った小林さんは、東京フェスタへも出展。別の塾生が描いた作品にその場で筆もじを入れていくというパフォーマンス、しかも大きなサイズの作品にも挑戦し、大好評を得た。
筆文字指導者の資格も取得した小林さんは、「筆もじスト」として日めくりカレンダーを作るべく、みなさんから頂いた写真を使って筆文字を入れる作業に取り掛かっている。
筆もじを書きだす瞬間、それは何かが「シュッと降りてくる」ような感じなのだという。
そのため、写真はできるだけその人の想い入れのあるものだと書きやすいのだとか。
あまり何も降りてこない場合は、せっかく送っていただいても採用されない写真もあるかもなのでご容赦を。また、ご要望に応じて出張で筆もじ講座も行っている。
ブースでは、あなたの想い入れのある写真を持って来ていただき、お話を伺いつつ、
この筆もじスト、小林さんが「シュッと」降りてきた途端、断りもなく筆もじを書きだす瞬間に出会えるというからすごい。これはぜひその場で体験するのをオススメしたい。
お1人20分程度の予定。その場で文字の原画と写真に合成を加えた完成形、両方をいただけるとか。詳細はブログで紹介していくそうなので、みなさん要チェックですよ!